2006/5/6


サヨナラみどり

次はインドで…

出国ゲートの前で僕らはそう約束の言葉を交わしました。

別れを惜しむ二人。いつまでも握った手を離せない二人。涙ぐむ彼女を励ます彼氏。頬を伝う涙。場内に響く搭乗のファイナルコール。ようやく歩き出した彼女の後ろ姿に大声で「愛している」と叫ぶ彼氏。こらえきれず再び彼の胸に飛び込む彼女。世界一ロマンチックな街、パリの玄関口、シャルル・ド・ゴール空港で繰り広げられる切なくも美しい恋愛模様。観た事が無くても簡単に想像が出来てしまう様なドラマのワンシーン。

もしかしたらそんなドラマチックな別れがあるのかな?と思っていたけど、やはり僕らの現実の世界では、そんな事は起りませんでした。5ヶ月半ぶりに再会した時と同じ様に、その別れも意外な程あっさりとしたものでした。

ただ、僕が今にも爆発しそうな気持ちを胸の中に抱えていた様に、彼女の胸の中も、情けない彼氏に対する言い様の無い不安と、再び日本に置き去りにされる寂しさで一杯だった事と思います。それでも凛と背筋を伸ばし、最後まで笑顔で僕に手を振ってくれた彼女に、僕はこれからも出来る限りの愛情を注ぎ続けたいと思います。

来てくれて本当に有り難う。

あと2日で僕は29回目の誕生日を迎えます。この旅のリミットは最大でも、あと1年。残されたお金と限りある時間の中で、僕はもう一度、一から旅を始めようと思います。これまでの5ヶ月間は決して無駄ではないにしても、正直、妥協と後悔の連続でした。

「何とかなる!」

今でもそう思って旅を続けていますが、気付けばその定義は5ヶ月前とは大分、違うにモノになっていました。始めはよけながら歩いていたぬかるみを、いつの間にか真っすぐ突っ切って歩く様になり、最後にはすっかり足を取られて身動きが取れなくなっていました。恐らくそれがブエノスアイレスでの自分の姿だと思います。

しかし、パリで彼女と再会した事で、ようやくそこから抜け出す事が出来たような気がします。というか強引に引っ張り上げられたと言う方が正しいかも知れませんが、再び固い地面の上に立つ事が出来ました。ここから踏み出す一歩は全てそうである様、しっかりと前を向いて歩いて行こうと思います。

それに僕が今、立っている大地は最後の地、アジアまで続いている…

この先どんな事があっても、必ずそこまで歩き続けます。もちろんこのサイトと共に。そして30回目の誕生日は必ず僕の大好きな日本で迎えます。

これからも皆さんに多少の心配をおかけしながら旅は続いて行くと思いますが、その分、世界の大きさ、面白さ、不思議、旅の魅力、そして一人の旅人の生き様を存分にお伝えしていこうと思っておりますので、よろしくお付き合い下さい。

それでは世界一周リアルタイム旅行記ヨーロッパ編、スタート!!!