2006/1/8

僅か3時間の睡眠にも関わらず僕らはセットした目覚ましが鳴った瞬間に目を覚ましました。部屋の外に出ると、辺りは真っ暗。しかし、ふと空を見上げるとビックリするくらい奇麗な星空。いよいよ始まる僕のグアテマラ旅行、最後にして最大のイベント、初日の出登山にもってこいの星空ででした。

4時過ぎにやって来たガイドと合流しトレッキングスタート。この辺りは日中でも長袖が必要な程、寒く、夜は更にその3倍くらい寒い。大した防寒着も持っていない僕らはとにかく重ね着をしてこの旅初の登山に挑みました。昨日、行ったサンファン村のちょっと先にあるこの山(名前は聞き忘れました)は標高2360m。周りを見渡す限りでは最も高い山。しかし、自分の足元さえろくに見えない状態だったので、一体、どんな山だったのかは帰る時になるまで分かりませんでした。

意外に険しく、思っていた以上に本気の山登りと言う感じで、僕らは途中で何度も休憩しながら徐々に明るくなり始める空を追い掛ける様に頂上を目指しました。頂上に着いたのは辺りがうっすらと空全体が明るくなり始めた6時半。そして、頂上から見るアティトラン湖の景色は湖全体が完全に見渡せ、間違いなく僕が見たアティトラン湖で最高の景色でした。

まだ明かりの届かない湖に向って一斉に山肌を滑り降る白い雲。太陽が昇ってくるという方角にあるアティトラン火山からは細い煙が上がっていました。そんな中、僕らは寒さに震えながら暖かい太陽が昇ってくるのを待ち続けました。

間もなく遠くの空に一筋の光が見え、辺り一面が一斉に明るくなりました。と、同時に、太陽がずっしりと重い暗闇をいとも簡単に持ち上げ、山の向こうに顔を覗かせました。力強く、凄い勢いで。みるみる内にその全貌を現した朝日から、僕は目が離せず、何故だか分からないけど涙が止まりませんでした。色々な事をお願いしようと考えていたけど頭は真っ白。結局、旅の安全を祈るのが精一杯でした。

思えば、しっかりと腰を据えて初日の出を見にきた事など今まであっただろうか?正月に日の出を見た様な記憶はあるけど、どこでいつ見たのかは全く覚えていない。しかし、ここで見た初日の出は僕にとって一生の忘れる事の無い思い出になりました。

僕の中でようやく2006年がやって来た様な気がしました。

ホテルに戻って来たのは朝の9時。明るくなった帰りの山道はこんな道を歩いてたの?とビックリするくらい危険度満点の山道でした。そこを凄い勢いで走り降りて来たので僕らはもうクタクタ。そんな訳で残りの時間は溜まっていたホームページの更新作業を行うため、部屋にこもっていました。残りの周辺の村にも行ってみたい気もしたけど、あの朝日で何かが終わり、新しい何かが僕の中で始まりました。

何が何だか分からないうちにここまで来てしまったグアテマラ旅行。メキシコではあんなに大はしゃぎして皆さんに旅の醍醐味みたいな事を語っていましたが、ここではろくなリポートもする事が出来ませんでした。でも、僕にはもうこれ以上のグアテマラで見たいモノは申し訳ありませんが、残っていません。


危険度満点の帰り道。

旅に出て間もなく2ヶ月。5ヶ月の予定で中南米を回るつもりだった僕の旅はまだ3カ国目。旅に出る前の僕にとって、アメリカ大陸旅行はハッキリ言って南米を指していました。中米はただ旅に慣れる為の通過点。そう考えていました。しかし、実際はそうでは無かった。僕が通過して来た景色はどれも魅力的で、どれも新鮮でした。初めて訪れたラテンの国々のパワーに圧倒され、中々前に進む事の出来ない自分にいつも苛立ちを感じながらも、実際は最高に楽しい旅をしていました。そして、新しい旅の始まりを告げるかの様なタイミングで、僕はこの初日の出に辿り着きました。もう十分。だから、早く次を見てみたい。限られた予算と時間の中で僕は出来るだけ多くの国を訪れ、出来るだけ多くのモノを見てみたい。明後日からはいよいよ南米大陸。再び一人旅が始まります。


2006年もいい年でありますように!