2006/1/23

朝の6時半。一人で泊まっていた僕のドミトリーに新しいルームメイトが現れました。ファンキーなドレッドヘアーにボロボロのバックパック。その彼はぱっと見だけでも、今まで出会った旅人とは少し様子が違っていました。彼が入ってきた物音で目を覚ました僕は、少し申し訳無さそうに、しかし、朝から結構、ノリノリで現れた彼と簡単な挨拶を交わしました。そして、気付けば僕らは夜遅くまで部屋で話し込んでいました。

クスコに来て2日目。本来ならマチュピチュ行きのチケットを買いに行き、明日にでも出発という予定だったのですが、予想通り少し頭が痛く、体がダルい。そんなにひどくはありませんが、どうやら僕は軽い高山病にかかっている様です。そうは言っても、これから先、ボリビアを抜けるまでは殆ど3000m以上の高地を移動する事になるので、自分の体が早く高所に慣れてくれるのを待つしかありません。そんな訳で今日も一日中、部屋でまったりしていた訳ですが、ルームメイトに恵まれたおかげで、そんな一日も楽しく過ごす事が出来ました。

彼の名はリョウ君。地元は埼玉ですが、今はロンドンでアパレル関係の仕事をしており、そんなに忙しく無い仕事の休みを利用してヨーロッパを旅していたのですが、気付いたらアフリカを通過し、南米まで来ていたというかなりの変わり者です。ノリが良く、誰にでも気軽に話しかけるリョウ君は僕とは正反対の性格。しかし、僕らは東京で生活していた時に似た様な所で遊んでいた事もあり、話す話題が尽きる事がありませんでした。しかも、同じ年。本来ならこんなに朝早くやって来たルームメイトを快く迎え入れるなんて事はしない筈なのに、久々に出会った同じ匂いのする旅人に僕のアンテナがビビビッと反応してしまいました。

リョウ君は僕がこれから向おうとしているアフリカや中東、ヨーロッパを既に旅してきており、初めて聞くアフリカ、中東の情報はとても興味深いモノがありました。エチオピアにあるラスタの聖地と言われている町に行った話(ここには何とラスタカラーに塗られた教会があるそうです!)やヨルダンにある映画、インディージョーンズの舞台になった遺跡の話。そして、イスラムの人達は滅茶苦茶いいヤツばかりで滅茶苦茶面白いという話。僕とリョウ君はビクビクしながらも率先して地元の生活に入り込んでいくという旅のスタイルが同じなので、ここから先の旅が増々、楽しみになりました。これまでアフリカ、中東に関しては、数ヶ月後には自分が確実にそこにいる筈なのに、全くイメージが湧きませんでした。しかし、彼の話を聞いていて、大まかな僕の旅のルートもイメージ出来る様になり、まだ見ぬ遠いアフリカが一気に近くなった様な気がしました。

そんなこんなで、僕らは当たり前の様に一緒にマチュピチュに向う事が決定しました。どちらにしてもマチュピチュへ向う一番安い電車は一日、一本しかないので、必ずこの宿にいる誰かとは会ってしまいます。そんな中でリョウ君はまさに最高のパートナーとして僕の部屋へやってきました。お互いノリも分かっている事だし、彼となら一緒にいて全く苦にならないので、本当に楽しみにしていたマチュピチュがもっと楽しくなる事を期待して、明日はいよいよ電車の切符を買いに行ってきます。クスコまで来たら結構、簡単に辿り着けると思っていたマチュピチュがジワジワと近付いてきました。

マチュピチュまで後3日。