2006/1/12


リマにもビーチがあります。

今日はしっかり早起きして、明日の夜に日本からやってくる友達、シンスケ君の為に色々とリマの面白スポットをリサーチしようと思っていのですが、目が覚めたら時刻はお昼の12時を回っていました。

昨夜、日本食を食べにいった後、同室のコーへー君はナスカに向け旅立ちました。彼とは音楽の話でかなり盛り上がり、カーニバルには必ず行くという事だったので、また会えると思います。そして、この部屋に残ったのは僕ともう一人、北海道から来たコウイチロウ君。そんな二人が部屋に戻って、話をしていたらナント朝の5時まで話し込んでしまいました。久々に日本人に会ったというのもありますが、久々に面白い旅人に出会ったというが最大の理由です。

コウイチロウ君は北海道出身の20歳。元暴走族のバックパッカー。ナント彼は若干20歳で英語とスペイン語の両方をマスターしている強者です。高校卒業後、ワーホリでカナダに1年半滞在し、英語を習得。成人式の為、一度帰国した後、今度はメキシコに5ヶ月住んでスペイン語に挑戦し、こちらも見事にマスターしました。今回はその実力を活かして南米を3ヶ月で回って来たそうです。違う国の言葉を喋っている自分を想像したら絶対にカッコいいだろうなと思って始めた彼の旅のスタイルは、まず何処かの国へ行き、数ヶ月間一つの街でアパートを借りて生活をする事から始まります。そこで語学学校へ通ったり地元の友達を作ったりしてその国の言葉を覚えます。そして生活に困らないくらいの語学力が身に付いたら、いざそれを武器に旅を始める。今頃になって2週間だけでも語学学校に通おうかなぁなんて思っている僕とは出だしから完全に違う事を考えています。

そして、彼の旅とはその95%が色々な国の人とのコミュニケーションをメインにしています。その為、遺跡や主要な観光スポットには一切行かず、ひたすら人と喋り、後は街をプラプラしています。ちなみに3ヶ月間の南米旅行が終了し、再びメキシコへ帰る明日までは、この宿で殆ど1日中漫画や本を読んで過ごしています。僕の様にパソコンやその他の電子機器なども一切持たず、ひたすら言葉だけに執着して旅をしている彼の次なる目標は、また何処かの国の言語を習得し、アフリカからアジアを1年かけて旅する事だそうです。

羨ましい。本当に羨ましい。でも、僕には今更、そんな時間は無い。旅行に出て自分の語学力の無さにがっかりしている僕には実に羨ましい旅をしている。でも、彼のやっている事はただ若くて時間があるから出来る事ではない。スペイン語や英語を喋っている姿を見ると、本当に人が好きで、語学が好きだから出来る事なのだとつくずく思います。

僕は何の為に旅をしているのか?と言われると、やはり見た事のない風景を見る為というのが半分以上の割合を占めていると思います。しかし、実は僕もコウイチロウ君と同じ様に博物館などには一切、興味が無い。これまでで行ったのもメキシコシティーの国立人類学博物館だけです。遺跡見物が好きなのは、見た事の無い景色が見たいと言う事の延長で、それ程、深い知識も無く、ハッキリ言って遊びに行っている様な感じです。それに学生証があるのでタダで入れるというのが一番大きい。後は一日中、街をプラプラと歩いているだけ。そういう意味では僕らは全く違うスタイルの様で何となく似ているように思えます。

昨夜は本当に真面目な事から本当にくだらない事まで色々と話をしました。僕らは同じ日本と言う国に住んでいながら、実は全く違う環境で育っています。僕は東京で彼は北海道。僕にとって一番馴染みのある風景というのは、高層ビルが乱立し、24時間当たり前の様に外を人が歩いてる、世界で一番安全な大都会、東京の街の風景です。お金で買える物なら大抵の物は手の届く範囲に常にあったし、遊ぶのに困るという様な事無かった。それでいてこの街の景色は世界各国のどこの都会の風景とは違っています。なので、この街で育った僕にとっては見るモノ全てが新しく、どこへ行っても感動してしまいます。中南米のコロニアル調の街並にも2ヶ月でようやく慣れてきましたが、それでも、街を歩いているとディズニーランドにいる様な気分になってしまいます。この風景の中で普通の日常生活が営まれているというのが、映画や漫画の様にしか思えない。そして、高いビルばかりで空なんてチョットしか見えなかったので、美しい自然の風景を見てはボーッと立ち尽くしてしまいます。

しかし、北海道育ちのコウイチロウ君にとっては、異国に行っても全くカルチャーショックが無かったそうです。180度の大パノラマで広がる景色なんか小さい頃から見ていたので、よっぽどのモノにしか感動はしないんだそうです。それより僕が話す東京の事の方が興味を持って聞いていました。そう言えばメキシコシティーで出会った北海道人のアキ君も遺跡には一切、興味が無いと言っていました。同じ日本でもここまで違うのかと初めて実感しました。そして、北海道人の旅人はチョット変わった人が多い事にも気付きました。

そんな訳ですっかり明け方まで話し込んでしまった為、午後からのそのそと活動を始め、まずは二人で泊まる宿探しに出かけました。同じ宿でも良かったのですが、リマは危険で夜歩きが出来ないという事で、タクシーで15分程行った所にあるミラフローレスという街へ宿を変える事にしました。ここは海が近く安全な観光都市として開発が進んでいる街です。しかし、安全なだけあって宿代が高く、数件あたって最も安かった1泊25ドルの宿を予約し、ついでに目の前に旅行会社でナスカの日帰りツアーの料金を聞きにいきました。ナスカはリマから行くとバスで5時間かかり、日帰りするのはかなりハード。なので、ナスカまで飛行機で行って地上絵を見たら速攻で帰るというツアーを探していたのですが、さすがに料金が高く一人375ドルもかかってしまいます。しかし、日にちが無い僕らにとってはこれ以外の選択肢は無い。取りあえず今日は一日考える事にして宿へ戻りました。まあ、後は明日宿を移り、シンスケ君を迎えに行くだけと、いう段取りまでは持って行けたので一安心。

そして、今日は同室のコウイチロウ君がメキシコへ帰る日。晩ご飯を一緒に食べに行き、ささやかなお別れ会を開きました。その後は宿に戻って朝の4時に出発するという彼とビールで乾杯。結局、ギリギリまで話し込んでしまいました。僕の携帯の時計がグアテマラの時間のままになっていて1時間遅れおり、それに気付いたのが3時半。最後は大急ぎでバックパックに荷物を詰め込み、彼は旅立って行きました。僕らは本当に色々な事をよく話しました。自分の生まれ育った街の話。自分の過去。家族の話。友達の話。仕事の話。中でも最も多かったのが学校の話。そこでの思い出話は尽きる事が無ありませんでした。これは僕らがただ単に気があったというだけでは無く、彼がコミュニケーションの達人だったかただと思います。3カ国語を巧みに操る彼はそれを武器に世界を旅をしている。久々に面白いヤツに出会ったと思いました。