2006/12/9


インドは街に救われる

目が覚めると10時を過ぎていました。しかし部屋はまだ真っ暗。僕の部屋には窓が無く、しかも朝っぱらから停電したていたので、ロウソクを使わなければ歯を磨く事も出来ませんでした。

何で150ルピーも払って旧市街から遠いこんな宿に泊まったんだろうか?

この街に何泊するかはまだ決めていませんでしたが、とにかくこの宿にはもう泊まりたく無い。という訳で取りあえずチェックアウトする事にしました。

しかし荷造りをしていると宿のオヤジがやって来て「何で出て行くんだ?」        と悲しそうな顔で聞いてきました。僕は「この部屋が気に入らないからだ」と答えました。ならば部屋を代えてやると言われたのですが、旧市街からも遠いし、ガイドはいるか?とか、街の説明をしてやるから屋上に来いとか、やたら親切過ぎるこのオヤジに少しウンザリしていたので僕的には何としてもチェックアウトするつもりでした。しかしその辺の事を上手い理由をつけて英語で説明する事が出来ず、ゾロゾロと現れたオヤジの家族からも「何が不満なんだ?」と質問攻め。

あ〜も〜勘弁してくれ〜。

そして最後は「お前は最初に2泊すると言ったから2泊分払え」と言われ、また一揉め。結局宿代は一泊分しか払いませんでしたが、昨夜食べた宿の夕食代で150ルピーも取られ、たった一晩で300ルピーの大出費をしてしまいました。

インドに来てこんなにムカついたのは今日が初めて。この後どうするかも決めないまま取りあえず駅に向かって歩き出し、その間に今夜の電車でジョードプルを出る事を決めました。

気に入らなければ次の街へ。

これが僕の旅のスタイル。

こうして20分程歩いて辿り着いた駅の切符売り場でも20分近く並んでいるのに次々と割り込んで来るインド人にまたイライラ。お年寄りや女の人だったので何も言いませんでしたが、インド人は一言の断りも無く全く平気な顔で列の一番先頭に割り込んできます。次は僕だというのにいつまでたったも順番が回って来ない。

しかしインドではこれが当たり前。

と、僕も我慢していましたが、さすがに同じ女の人が自分の切符を買った後に、もう一度、違う申請用紙を持って僕の前に割り込もうとした時には「ちょっと待った」をかけました。

こうして夜11時発のジャイサルメール行きのチケットをゲット。

さすがに11時まで宿無しでいるのはしんどいので駅前の安宿に部屋を取りました。シングルたったの80ルピー(230円)。

最初からここにしておけば…


Jodhpul

ラジャスターン州には地名に「プル」が付く街がいくつか有ります。これは「城壁に囲まれた街」という意味で、1475年に造られたこの街の旧市街は高さ10mの城壁に囲まれています。主な見所は「ブルーシティー」と呼ばれる旧市街とそれを見下ろす高台に立つメヘラーンガル砦。

まずはこの砦を目指して旧市街の門をくぐりました。ボロボロの街並と狭い路地が入り組んでおり、令の如く人と車と牛だらけ。ジョードプルの街からは丘の上に建つ砦がどこにいても見えます。ボロボロの街並とそれを見下ろす巨大砦。僕はこんな景色を映画やアニメでしか観た事がありませんでした。

やっぱりインドの街は面白い!

午前中のイライラも一瞬で忘れ、遠くに見える砦を目指して歩き始めました。そしてこの途中で牛のウンコを思いっきり踏みました。インドでは注意しなければならない物がたくさんあります。


Meherangarh Fort

1459年に新都、ジョードプルのシンボルとして建てられたメヘラーンガル砦は未だにマハーラージャ所有の建物で、130mの切り立った岩山の上に立つ、高さ33mの巨大な砦。現在は博物館として一般に公開されています。


今も続くゴージャスな暮し

丘の上から眺めるジョードプルの街並は確かに「青」でした。しかし全部ではなく所々。今では勝手に建物を青く塗って良いそうですが、かつては上流カーストの人しか青い家に住む事が出来なかったそうです。義務づけられていないという辺りがインドらしい。


確かに青い街並

砦見学の後はひたすら街歩き。砦に向かう途中はあまり気付きませんでしが、確かにこの街はブルーシティーです。上から見た時に青色が固まっていた辺りに行ってみると本当にそこら中、青い建物だらけ。モスクもお店も住居も青。しかしそこで営まれているのはドコの街でも目にする混沌としたインドの暮し。

インドの街が面白いのはそこにいる人々が同じ場所で何百年とほぼ同じ生活をしている所です。インド独立後の新憲法では禁止されているカースト制度は今現在も色濃く残っており、チャイ屋の息子はチャイ屋。リキシャの息子はリキシャドライバー。物乞いの子供は物乞い。野良牛の子供は野良牛として生きています。インドの街は彼らが数百年に渡って染み付けた垢でボロボロに朽ち果ているのに、そこで暮らす人々だけはいつまでも変わらない。これは他の国の旧市街でも言える事なのかも知れませんが、カースト制度に縛れ続けたインドの場合はその年期が全く違う様に思えます。


青い街と子供達

インド人は結構、写真好きです。僕が街を歩いていると「俺の写真を撮れ!」と、良く声を掛けてきます。しかし僕が携帯のカメラを出すと「なんだモバイルか」と少しがっかりされます。

あ〜カメラが欲し〜。

明日は砂漠の町、ジャイサルメール!!