2006/12/12


やっぱり悪いヤツらでした

思いっきりゆっくりしようと思ってやって来たジャイサルメール3日目。

なのに完全に風邪を引きました。

原因は予想以上に寒かったこの町と、宿の愉快な仲間達による2日連続の手厚い接待。昨夜は本当にあと一歩の所で奴らにハメられそうになりましたが、ギリギリでストップをかけ、ツアーには絶対に行かない!と、断言しました。

でもマジで危なかった〜。

おかげで快適だった宿の居心地は最悪になってしまいました。


砂漠の家々

昨夜の宴会はオーナー代行のラジュ(写真左下)と、従業員の兄ちゃんと、キャメルドライバーの兄ちゃんの3人。彼らの手下達が用意したキチンカレーとビールで僕をキャメルツアーに参加させる為の宴が開かれました。

当然、話題は女の子の話と砂漠ツアーが如何に素晴らしいかと言う事で、明日は既に申し込みを済ませている女の子2人組の外国人旅行者と共に俺たちも一緒に行くから、お前も参加しろ散々、迫られました。

今日こそは絶対に断るぞと思っていたのですが、お酒が回ってくるに連れ、僕もみんなで行くなら行ってもいいかという気になってしまい、何となく値段を聞いてみました。しかしラジュは値段は帰ってからだと言い、中々教えてくれませんでした。それなら行く事は出来ないとしつこく尋ねると、ようやくラジュは「これはお前だけのスペシャルプライスだ」と言って、何と2200ルピー(6000円)のツアー代を要求してきました。

この金額はハッキリ言ってあり得ません。ガイドブックには1日400ルピーが目安と書かれていたし、何より前にツアーに参加している孝太郎君は1日700ルピーでこの宿のツアーの参加しています。

僕はこれで完全にコイツらが僕をカモにしようとしている事を確信し、あとは如何にこの場から逃れるかを考えていました。

そして宴が最高潮に盛り上がっていた夜の12時頃。みんなが話をしている最中に電話で話をしていたラジュが「2ガール、1ボーイ」と勝手に明日のサファリを発注している声を聞き、僕は思いっきりデカイ声で

「No!!!」

と、叫びました。一瞬で凍り付いた場。僕は落ち着いた声で改めて「絶対に行かない!」と言い、その代わりにここのレストランで出来る限り食事をすると約束しました。彼らはお金の問題じゃないんだと必至に僕をなだめようとしましたが、明らかに僕をハメようとしていた彼らの落胆ぶりは手に取る様に分かりました。僕は「先に寝るよ」と、静まり返ったその場を去り部屋に戻りました。


憎めないキャラクター

僕の予想では前にここに泊まっていた孝太郎君も実は軽くカモられているのではないかと思われます。彼の言っていたツアー代は明らかに高いし、じゃなければ僕にこんな盛大な接待はしない筈。ここにやって来た時の歓迎ぶりはまさに「新しいカモが来たぞ〜!」と、言わんばかりでした。

しかしそうと分かっていながら彼らと一緒に居るのは、僕がどうしてもコイツらを憎めない事にあります。オープンしてまだ3ヶ月というこの宿は本当に奇麗で快適です。それにテラスからの眺めは恐らくこの町でNo.1。上手くやれば絶対に客が集まる筈なんですが、ここで働く男共はまだ仕事に慣れていない様子で、本当にドタバタで作業をこなしています。テラスにあるレストランの厨房ではさっきまで制服を着て学校に行っていた子供が食事を作っているし、客にホットシャワーが使えないと言われれば、ラジュがボイラーに薪をくべています。一見、若いヤツらをコキ使って働かせている様に見えるのですが、実はみんな友達にみたいに仲が良く、客が居ない屋上で一日中遊んでいます。

僕は昨夜、ラジュに連れられホットミルクを飲みに町へ出掛けました。その時、大型バスがやって来てゾロゾロと外国人旅行者が降りてきました。丁度いいから客を捕まえに行こうと誘われ、彼は「日本人がいたら声をかけてくれ」と僕に頼みました。この時、既にツアーに参加しない事を決めていた僕は、散々良くしてもらったのでそれくらいの事はやってやろうと、日本人だったらと了解しました。

二人でバスの近くまで行き、降りて来た一人の外国人旅行者にラジュが声をかけました。その姿はいつもの彼からは想像も出来ないくらい腰が低く、弱々しくて僕は驚きました。一方の旅行者は全く彼の顔を見ようともせずに「No」と一言。後は完全に無視していました。

なんだこの野郎〜!!!

と、腹が立ちましたが、よくよく考えるとこれはいつもの僕の姿でした。

トボトボと戻って来たラジュは「お前が行けば相手は信用するから行ってくれ」と、僕に頼みました。英語が殆ど出来ないのに外人はちょっと無理だと断りましたが、彼の真剣な表情に負け僕も初めての客引きに挑戦。

しかし結果は全く同じでした。後ろから僕の服を引っぱり「もういいよ」と、言っているラジュを振り切って、本気でぶん殴ってやろうかと思いました。

僕は初めて客引きをやってみて彼らの苦労が本当に良く分かりました。今や観光地でしかないジャイサルメールにはこんな小さな町なのにホテルが400軒以上もあるそうです。確かに街中ホテルだらけ。彼らは駅やバスターミナルはもちろん、隣町のジョードプルや町から100キロ以上も離れた長距離バスの休憩所まで毎日、交代で客引きに行っています。しかも5時起き。そこまで苦労しても恐らく1日に1組、客を捕まえられれば良い方だと思います。後は僕の様に冷たく無視されるのが殆ど。

これなら飛び込んで来たカモから絞り取りたくなるよな〜。

だって宿代はたったの280円。

しかし易々と騙される程、僕も素人バックパッカーでは無くなってしまったので、今回は相手が悪かったと諦めてもらおうと思います。その分、外の2倍以上はする1杯10ルピー(28円)のチャイを惜しみなく飲んでいます。

今日は体調が悪かったので、殆ど部屋で過ごしていました。すると女の子2人組と砂漠ツアーに行っている筈のラジュが「今日は家に帰ってもいいか?」と、わざわざ僕の部屋に尋ねてきました。ツアーはキャンセルになったそうです。

って、始めから女の子2人なんていないんだろ!!

これ以上、コイツに付き合っても意味が無いと諦めたのか、今日はやけに大人しめでした。

という訳で、オーナーに続き、オーナー代行まで不在のジャイサル・ビュー・ホテルにようやく静かな夜が訪れました。

僕は昨夜の一件で後2日でこの宿を出る事にしました。実は14日にオーナーのアンナジがデリーから戻って来ます。彼はそれまで絶対に待ってろと僕に言って出て行き、初日の夜は僕もそのつもりでした。しかし状況が変わり、体調まで崩し、帰って来たらまた面倒な事になりそうなので、その前に町を出る事にしました。

悪いけど逃げる!

ただその前に砂漠に行ってみる事にしました。実は砂漠にはちょっと面倒ですが、自力でも行けます。それ以外にもラジャスターン州の観光局が砂漠のサンセットツアーを行っており、これだと150ルピー(420)で砂漠に行けます。という訳で明日はこのツアーに参加して砂漠に夕日を見に行く事にしました。

風邪治るかなぁ〜。